ひげちゅうのブログ

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ロマンティック武田、転籍します。

僕はこの3月でサイバーエージェントという会社を辞め、マクアケという会社に入ります。(同じサイバーエージェントグループなので、正確には「転籍」になります。)直接ご挨拶できなかった方、本当に申し訳ありません。そんな方にご説明する意味も込めて、このブログを書きたいと思います。

転籍する理由は色々なのですが、全てを書くと長くなるので、メインとなる1つのテーマ「ロマン」に絞って書きたいと思います。

とは言え、これだとちょっと気持ちの悪い新卒になってしまうので、ここから丁寧に説明していこうと思います。

 

1.モチベーションとは

働くモチベーションというのは人それぞれで、「たくさん稼ぎたい」や「表彰されたい」といった鼻息の荒いものから「社会貢献がしたい」「人を助けたい」という高尚なものまで様々です。

入社当初の僕はというと、完全にベクトルが自分に向いた前者のパターンで、「大きな成果を出してアイドルと結婚したい」とか「人類最速で昇格して全世界から認められたい」という獣みたいなものがメインでした。

しかし、働いていく内に上記のような外的モチベーション(賞与とか名誉とか)は非常に脆く、また虚しいものであることに気が付きました。

余談ではありますが、米ザッポスCEOのトニー•シェイも似たようなことを語っています。彼によれば「幸せのプロセスには、快楽、情熱、崇高な目標の3種類があり、後のものを経るほど幸せが回復力に富み、持続しやすくなる」とのことです。つまり何が言いたいのかというと、快楽(賞与とか名誉とか)というモチベーションには持続性がないということです。それを身をもって実感しました。

この事実に気が付いたタイミングで、「今の仕事を続けるべきか」を考え直した気がします。

 

2.ロマンが必要だ

さて、先に言った「ロマン」とは、「お金や地位とは関係の無い、なんかカッコいいこと」と言い換えることができます。定義は人それぞれですが、ここでは一旦、そういうことでお願いします。

なので冒頭で話した「転籍の理由」は、「このようなカッコよさを、今の仕事に見出すことができなかった」ということになります。念の為申し上げますが、今の仕事を否定している訳ではなく、武田が見い出せなかったという意味であり、他意は一切ございません。

夏くらいでしょうか、案件が立て込み、チーム全体の稼働が圧迫されたタイミングがありました。人はこういうキツイ状況に追い込まれると、行動に意味付けをして頑張ろうとする生き物です。もうお気づきかもしれませんが、僕も人間なので、必死に意味を探し、喰らいつこうとしました。いわゆる「モチベーション探し」ですね。

しかし、残念ながら意味は見つかりませんでした。もちろん、成果で上司に恩返ししよう、とか、チームメイトの負担を無くす為に頑張ろう、というのはありましたが、この仕事にユニークな、この仕事でなければ得られない意味やロマンが見つかりませんでした。

恐らく、あの時期を120%でやりきれていれば、何かしらの達成感や賞賛は得られた可能性がありますが、それだけでは踏ん張れず、喰らいつくので精一杯でした。

 

3. ビジョンと現状

日々仕事を続けていく中で、自分が非常にクセの強い「ビジョン型」の人間であることに気が付きました。

「ビジョン型の人間」というイカついクエリが出てきたので精査しながら噛み砕くと、「その成果の先で世界がどうなるのか、誰が救われて誰が喜ぶのか」まで感じれないと、頑張れないということです。賞とか昇格とか成果だけでは、どうも頑張れない。ユトリでごめんなさい。

思えば、これまでもそうでした。部活を大学まで頑張れたのも、スポーツ推薦のない大学が、それのある学校を倒すGIANTKILLINGのような世界感にロマンを感じたからであり、大学受験を頑張れたのも、部活を高3の夏までやった上で現役合格する姿が後輩に勇気を与え、なんだかカッコいいと感じたからでした。そこには壮大なロマンがあり、素敵なビジョンがあり、それが目的となりました。

対して、これまではどうか。僕は営業なので、毎月の目標があります。その目標を達成するために、既存・新規問わずクライアントの予算取りに奮迅する訳ですが、正直、ここに数字以上の、数字の先の目的を見出すことができていません。

もちろん、今の仕事も価値のあることであり、それ故に大きなお金が動いている訳ですが、僕にはロマンが実感できませんでした。(誤解のないよう何度でも言いますが、僕個人の見解です)

多分、これは業界構造がこうだからしょうがないのですが、僕の仕事が最終的に誰にとっての価値となり、誰が喜ぶのかを感じることができなかったこと、要するにバリューチェーンがとっても長いこと、が背景にあると思っています。ほんとに、多分ですが。

 

4.「ロマンのために」という選択

 このような状況では自分のパフォーマンスも十分に発揮できない上、楽しくない、更に思うように気持ちが乗ってこないので他人に迷惑をかける可能性がある。(なんなら、既にかけている)

ならば、新卒だけども今の仕事に見切りをつけ、どこかに移るべき。というのが僕の出した結論でした。熱心に相談に乗って頂いた上長の増田さん、人事の平本さん、一部の同期には大変感謝しています。

じゃあ、お前の求める目的とかビジョン、ロマンはなんなのかということになるのですが、これは「自分の知識や経験を使って、ダイレクトに、多くのチャレンジャーを助けること」です。自分の力で、下町ロケットの佃航平とか、陸王の宮沢紘一みたいな人物を救っていきたいのです。祖父が製造業だったことも理由としてはあるのですが、これはまた別の機会にします。

何度も言いますが、今の仕事も広くは人助けであり、社会貢献です。ただ、僕はそれをもっと直接的に、価値提供の対象が明確な形で感じたかった。ということです。

なので僕はクラウドファンディングという全く別の世界に飛び込み、この思いを実践できるような環境に身を置くことに決めました。

 

5.最後に

次の会社では、人助けをしながら、誰かの役に立ちながら、お金を生み出す。という結構なキレイゴトをする予定で、相当な苦労が伴います。が、1年目での退職にも関わらず見送ってくれた局の方々、同期、トレーナー、局長の顔に泥を塗らないよう、死ぬ気でキレイゴトを実践します。

今回、転籍という形にはなりますが、大卒後のファーストキャリアを広告本部、特に増田局で過ごせたことはこの上ない幸運でした

トレーナーの田野さん、ナナメンの井本さん含め局の方々にビシビシと鍛えて頂いたおかげで、打ち合わせ中に相手の目を見ずにモゴモゴと「~的な感じ」と放ったり、作業中に大音量で乃木坂を聞き、謎の声を発する等のことが無くなりました。また、局外ではありますが、案件で関わったはらたくさんには、働く楽しさを教わりました。

ボスの増田さんからは、強く、優しいリーダー像を見せて頂きました。例えが謎ですが、ガッシュベルのような方で、本当に尊敬しています。社会人人生における僕の母です

本部の皆さま、本当にお世話になりました。また何処かでお会いした時には、優しく、そして穏やかに、「あれ?どなたでしたっけ?」といじって頂ければと思います。

お読み頂き、ありがとうございました。

超絶がんばりやす。

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武田 康平